第二巻『この世の彼方の海』
原題:THE SAILOR ON THE SEAS OF FATE



「さあ、ストームブリンガーよ。このまま海の中に歩いていっていっさいのけりをつけるか?」
「そうすれば少なくとも、われわれを追ってきたものに肩すかしをくわせてやれよう」
(18P)
「おまえは生きのびて、人の命をとるために存在している。ならばこのわたしは、愛する者にも憎む者にもひとしく死という情けをかけ、いずれは死ぬために存在しているのだろうか。わたしにはそんな気がする。それがさだめなら、悲しいさだめだが。だがそれだけではないはず……」(19P)
*二巻最初の台詞がこれ。剣にむかって話し掛けるという習慣がついてしまったエルリックの独り言である。この台詞の直前の状況説明がとにかくおもしろいので必読。


「わたしの仕える相手はわたし自身だ」(P40)
*この台詞を聞いたエレコーゼ、コルム、ホークムーンに笑われるが、「まだなにもわかってないお気楽なやつだ」とでも思われたのだろうか。というか、アリオッチに隷属している身でこんなことをぬけぬけと言うエルリックもどうかと思うが。願望というやつか?


「船長、そういう、ひとを煙にまくようなことを言わないでほしい。いいかげんいや気がさしているのだ」(89P)
*「それはこっちのセリフだ!」と、この巻を読んでいる読者は思うかもしれない。


「いったいわたしはまともに答えてもらえることがあるのか」(95P)
*ムアコック独特の晦渋な言辞に読者ともどもイライラするエルリックだった。


「かれの諧謔精神に合うのだろうよ」(142P)
*サクシフ・ダン配下の悪党達を見たスミオーガンが、「あいつはどうしてあんなやつらと一緒にいられるのだろう」と呟いたのに対する返答。実生活でも応用できそうな台詞だ。


「メルニボネでは、わたしはその血統を汚したものと言われている」(166P)
*楽しそうに自分を叩くのがエルリックの自虐的な性格をあらわしている。


「貴公は知っていたはずだ。古フロルマーのアヴァン・アストラン公爵よ。メルニボネのエルリックとかかわったものの上には災厄がふりかかることを。だが貴公は信じなかった。こうして身をもって知るまでは」
「わたしは永遠にこの呪われた剣から離れられぬのか?こいつをやっかいばらいする方法を見つけねば、わたしは良心の呵責に押しつぶされてしまう」
(245P)
*徐々に本性を現してきたストームブリンガー。しかしまだまだ苦悩は序の口であった。


「目的などというものはないのだ」(247P)
*虚無に満ちた二巻ラストを代表する名文句。高校のとき、この台詞がごく内輪の中でブームになった(笑)。とにかくやる気のなくなる台詞なので試してみよう。





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